簡易(単式)簿記と複式簿記の違いとは?

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簿記は日々の取引のお金の流れを記録するもので、非常に重要です。ただ、簿記と聞いて苦手だな・・と思う方も多いと思います。簿記には、「簡易(単式)簿記」と「複式簿記」の2種類あり、それぞれ性質が異なります。それぞれの簿記の特徴を知り、ご自身の事業状況等に合せて選択する必要があります。

そもそも、個人事業主が事業を行う際は、事業に係る収入金額や必要経費に関する帳簿を作成し、保存しておくことが所得税法で定められています。ですので、必ず2種類の簿記のどちからで帳簿を作成する必要があります。

目次

簡易(単式)簿記とは

簡易(単式)簿記とは、ひとつの勘定科目について、その増減を記録・集計する方法で、現金の残高がどのように増減したかを見る「お小遣い帳」や「家計簿」がそれに当てはまります。
項目としては、下記のように、日付、項目、収入、支出、残額の順で記入する欄があります。

日付項目収入支出残額
1月1日売上10,000100,000
1月3日水道光熱費5,00095,000

メリット

簡易(単式)簿記は簿記の知識がなくても、誰でも簡単に帳簿付けができるというのが大きなメリットです。
日々の取引をきちんと付けられれば、簡単に帳簿を作成することができます。

デメリット

① 貸借対照表を作成できない

 貸借対照表が一時点での財政状況を表すもので、経営状況の分析等に役立ちます。この貸借対照表を作成するためには、現金や預金の残高がわかるだけでなく、売掛金や買掛金、借入金など、表面上の手もとの金額が増減しないものの取引についても集計する必要があります。しかし、簡易(単式)簿記ではこの集計が難しいため、貸借対照表の作成が難しいのです。

② 控除の特典が少ない

複式簿記で帳簿付け等を行い一定の条件を満たすことで受けられる青色申告特別控除では最大10万円かの控除から最大55万円もしくは65万円の控除を受けられるのに対して、簡易(単式)簿記で帳簿付けをした場合、控除特典が少ない点がデメリットとして挙げられます。

複式簿記とは

複式簿記は、「仕訳」という形で記録・集計する方法のことで、取引を原因と結果の二面からとらえ、お金の動きを把握するというものです。
こうすることで、商品を売ったことで受け取った代金が、売ったことにより増えたお金であることを知ることができます。

借方借方金額貸方貸方金額
現金10,000売上10,000
仕入5,000現金5,000

メリット

① 損益計算書や貸借対照表の作成ができる

勘定科目を資産、負債、純資産、収益、費用の5つのグループに分類し、その集計結果から一定時点での財政状況を表す「貸借対照表」と、一定期間での儲けを表す「損益計算書」の2種類を作成することができ、事業の状態を把握しやすくなります。

② 青色申告特別控除が受けられる

所得税の確定申告を青色申告で行う場合に、青色申告特別控除という特典が受けられ、複式簿記で帳簿付けを行うことをはじめ一定の条件を満たすことで、最大10万円の控除から最大55万円もしくは65万円までの控除を受けられます。

デメリット

簡易(単式)簿記と異なり、仕訳のルール等が複雑なため、複式簿記の知識を身につける必要があります。
慣れてくれば問題ありませんが、慣れるまでには多少の勉強が必要になります。


2種類の簿記の特徴をご紹介しましたが、青色申告会では複式簿記による日々の帳簿付けから確定申告までのサポートを行っています。
開業したばかりでよくわからない、1人でやっていく自信がないという方はお気軽に青色申告会にご相談ください!
神奈川県内の青色申告会 | 【公式】一般社団法人 神奈川県青色申告会連合会 | 確定申告・税金・個人事業 (aoiro-kanagawaken.or.jp)

詳細はこちらをご覧ください。
記帳や帳簿等保存・青色申告|国税庁 (nta.go.jp)

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