新たに成立した「フリーランス新法」とは?

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特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(以下、フリーランス新法)が成立し、令和5年5月12日に交付されました。この法律は、公布の日から1年6か月以内に施行される予定です。

目次

フリーランス新法とは

これまでも業務を下請けする事業者が発注者から不当な行為を受けることがないよう、独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)や下請法(下請代金支払遅延等防止法)などで規制されていましたが、働き方の多様化が進み、個人で働くフリーランスが増えている現状を受け、ビジネス上で立場が弱いとされているフリーランスが、さらに安心して働ける環境を整備することを目的として新たに法律が制定されました。

フリーランス新法のポイント

対象となる業務・事業者

従業員がいない個人や代表者以外に役員・従業員がいない法人である特定受託事業者に、業務(物品の製造、情報成果物の作成、役務提供)を受託する特定業務委託事業者が規制の対象となります。
下請法では資本金1000万円超の法人が規制の対象でしたが、フリーランス新法では従業員のいる個人事業者も特定業務委託事業者として規制の対象になります。

特定業務委託事業者が守るべきこと

業務委託時の内容明示

業務委託をした場合は、ただちに業務の内容、報酬の額、支払期日そのほかを書面または電磁的方法により特定受託事業者に明示しなければなりません。

報酬の支払い

報酬の支払期日は、成果物・役務を受領した日から60日以内のできるだけ短い期間内としなければなりません。

継続取引を行う際の禁止事項

一定期間継続する業務委託をする場合、特定受託事業者の責任ではない理由で成果物などの受取拒否・報酬減額・返品をすることのほか、相場よりいちじるしく低い報酬の設定、物品購入や役務の利用の強制をしてはならず、金銭・役務などの提供の強制や特定受託事業者の責任ではない理由による変更・やり直しによりその利益を不当に害してはいけません。

業務受託募集を行う際の的確表示

広告等によって業務受託募集を行う際には、正確かつ最新情報を伝える必要があります。

ハラスメント対策

ハラスメント行為への適切な対応を行うため、相談体制などの整備をすることが求められます。

出産・育児・介護との両立への配慮

一定期間以上継続して業務委託をする場合、出産・育児・介護と業務を両立できるように発注事業者側に配慮することが求められます。

契約更新なし・中途解約時の事前予告

継続的な業務委託を更新しない・中途解約をする場合、原則として契約期間満了日・中途解除日の30日前までにその旨を予告しなければなりません。

違反した場合などの対応

違反した特定業務委託事業者などに対して、国が指導、勧告、公表、命令などを行うことができ、命令違反や検査拒否などに対しては50万円以下の罰金が科されます。

個人事業者が注意すべきこと

発注者側の場合、これまで口頭で業務を委託していたのであれば、書面や電子メールなどで業務内容や報酬の支払期日などを提示する必要があります。定期的に同じ業務を依頼するのであれば、一定期間についての委託条件を事前に書面で取り交わす方法も考えられます。
受注者側の場合、契約条件が書面などで明確化されるので、条件どおりに業務をおこなったか否かを発注者から問われる恐れがあります。

この法律は今後、政省令などが公表され、令和6年秋頃までに施行されます。関係する業務をおこなう方は、十分な準備をする必要があります。

詳細は厚生労働省ホームページをご覧ください。
フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

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