国税庁ホームページでは、インボイス制度に関するお問い合わせの多い質問をランキング形式で掲載していますが、その最新の情報(令和6年6月版)が6月26日に公開されました。
TOP10以外のQ&Aも掲載されていますので、知りたい情報がある場合は国税庁ホームページをご活用ください。
お問い合わせの多いご質問TOP10
- 登録の手続
- 立替金
- 適格請求書に記載が必要な事項
- 適格請求書等保存方式の概要
- 免税事業者等からの仕入れに係る経過措置
- 小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)
- 高速道路利用料金に係る適格簡易請求書の保存方法
- 売手が負担する振込手数料相当額
- 2割特例の適用ができない課税期間①
- 交付を受けた適格請求書に誤りがあった場合の対応
上記Q&Aの令和6年4月改訂版の公表後に、多く寄せられた質問として、4つほど項目が挙げられています。
今回はその中の1つをご紹介します。
<予約サイトで事前決済した宿泊予約者に対する適格簡易請求書の交付>
【問】
当社は、ホテルを運営しています。予約サイトを通じて受けた予約について、予約サイト経由で決済が行われた場合、フロントでは現金の授受等が行われないことから、領収書の交付を行っていませんが、どのように適格簡易請求書を交付すればいいでしょうか。
【答】
適格請求書や適格簡易請求書は、その名称を問わず、記載事項を満たしたものであれば、必ずしも領収書や請求書である必要はありません。そのため、予約サイトや旅行代理店等(以下「予約サイト等」といいます。)を通じて受けた予約で、かつ、予約サイト等を経由して決済が行われた場合には、領収書ではなく、宿泊明細書など適宜の様式により、以下の記載事項を満たした書類(適格簡易請求書)を交付することが考えられます。
① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
② 課税資産の譲渡等を行った年月日
③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象課税資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象課税資産の譲渡等である旨)
④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額
⑤ 税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率
なお、予約サイト等が宿泊者の委託を受けてホテルの宿泊予約を行う場合(いわゆる手配旅行)と異なり、パックツアーなど、宿泊サービスを含めた一連の旅行サービスとして予約サイト等が提供する場合(いわゆる企画旅行)、通常、予約サイト等が宿泊客に対して課税資産の譲渡等を行ったものとなりますので、当該予約サイト等が宿泊客に対して適格簡易請求書を交付する必要があります(この場合、貴社は、予約サイト等に対して適格請求書の交付義務が生じることとなります。)。